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  • 2009.01.03 Saturday
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マイケルは所詮マイケルだ。

 "ザザザ"と音を立てている茂みの草木と俺達の距離は約5m。
音は徐々にこちらへ近づいてくる。

緊張感と共に森の茂みから飛び出してきたのは、


マイケルだった。

茂みの中を駆け抜けてきたマイケルの頭や体には、緑の葉っぱがたくさんまとわりついている。

「なんだ、マイケルか」
僕はホッとして剣を握っていた右手の力を緩めた。
マイケルは僕たち三人が纏っていた緊張感も、自分にまとわりついた葉っぱも気にせず、笑いながら「あうー」と言いながらその右手に持っていたモノをシフードの前に差し出した。

「すごいですね。これを捕りに行っていたのですか?私がもらっていいのですか?」
シフードに差し出されたのは気絶した1羽の野鳥だった。
ニワトリよりふたまわりほど大きく丸々太っている。

クリも纏っていた緊張を解き、近くの岩に腰掛けるとポケットから取り出した葉巻に火をつけた。
「さっきシフードの分を横取りしたお詫びだ。ってそいつは言ってるぜ?」
「あうー!!」
マイケルは一見恥ずかしそうで、それでいて嬉しそうな表情で頷きながら叫ぶと、シフードに野鳥を手渡し、全力で街道のほうに向かって走っていった。

「あいつ、意外に人の気持ちを考えているんだな」
僕は心のままを言葉にした。
「まったくですね。彼が食べ物を差し出すなんて・・・。少しですが心の成長が窺えますね」
「そうだな・・・。ま、せっかくの好意だ。ありがたく頂こうぜ」
「そうですね。さばいて頂きましょうか」
「そうだね。そうしようか・・・。」
と、クリが葉巻を吸っていた事実を右から左に受け流した瞬間、


けたたましい叫び声と共に、茂みから一匹の巨鳥が飛び出した!


こ、これは・・・


「ヘ、ヘルコンドルだー!!」

3人の声がぴったりとハモった。


「こ、これは、ヘルコンドルだ〜(ド)」

「ヘルコンドルだ〜(ミ)」

「ヘルコンドルだ〜(ソ)」

「意外に俺らそっちもいけるな」


「って違う!!」

ヘルコンドルとは、翼を広げれば3mをゆうに越える巨鳥で、強力なカギ爪とくちばしには、牛や馬を一撃で殺すほどの力を持っている。

森から飛び出してきたヘルコンドルは上空10mくらいのあたりで大きな翼を羽ばたかせながら、「ギャーギャー!」と怒りにも聞こえる大きな声を上げている。

「ま、まさか・・・」
僕達はシフードが手に持った野鳥と、ヘルコンドルを交互に見やって、
3人同時に叫んだ。

「チキショー!あのマイケル野郎!!」

メイケルはヘルコンドルの幼鳥を捕まえたはいいものの、親鳥に気づかれたためにここまで来て幼鳥をシフードに手渡し、自分だけ街道方向に逃げていったのだ。

マイケルに途轍もない怒りを感じながら、僕達は空に浮かぶヘルコンドルと対峙した。
そして上空に浮かぶヘルコンドルと、シフードの手元の幼鳥を交互に見やってもう一度叫んだ。



「あのマイケル野郎!!(ド・ミ・ソ)」


 


野宿

ロマリアを出発して7日目。アッサラームまでは半分くらいだろうか。
これといって大きなトラブルもなくここまで来たが、オスマン橋を渡ってから急にモンスターが強くなった。
今日初めて出会った暴れ猿は立ち上がると体長7mはあろうかというくらいの大型モンスターだった。
暴れ猿をはじめとする強力なモンスター達との戦闘は僕らの旅を予定以上に遅らせた。
今日も予定の宿場町までたどり着けず街道脇の野原で野宿する事になった。


パチッパチッと焚き火が弾ける音がする。
徐々に南下しているは言え季節も冬に向かっており、やはり夜は冷える。

「おーい、シフード、肉焼けたぞー」
僕は焼けた野豚の肉をシフードに差し出す。
「これはありがたい、この私が先の戦闘で怪我さえしなければ野宿なんかにはならず今頃は宿の暖かい布団でぐっすりと・・・って、こらマイケル!私が感傷に浸っているのをいい事に私の分の肉を横取りするとは何事でしょうか!!可及的速やかに私の皿に戻すのです!って、こら!逃げるな!全くもってこの!!」
マイケルは僕がシフード用に用意した肉を鷲掴みして"シュタッ、シュタッ"とアクロバティックに5mほど離れてそれを頬張った。
「マイケルーーー!返しなさい!!!」
シフードはマイケルを追いかけようとしたが、暴れ猿にやられた右足の痛みがひどいらしく、立ち上がれずに右手だけマイケルに向けて伸ばしている。

「んん〜〜はぁ。。。全くマイケルはしょうがねぇなぁ。まあまあシフード、ほれ、まだあるから」
僕はそう言いながら焼けたもう一切れの豚肉をシフードに渡した。

しかしその瞬間、またもマイケルがその肉を横取りした。
「コ、コ、コ、コノヤロー!!全くもってこのやろー!!」
シフードは近くにあった石ころを掴み、マイケルに向かって投げつける。
マイケルは肉を口に含みながら、飛んでくる石に負われるようにそのまま茂みの奥に逃げ去っていった。
「んああああー!!コンチクショー!!ふん、ふん!!全くもって、あのマイケルとかいう人間の価値や存在意義が私にはわかりません!あんな人間はアリアハンに強制送還してしまって、アリアハンで、レンガを積んでは崩して、積んでは崩して、というような無意味な強制労働でもさせておけばいいのです!ふん、ふん!全くもって足手まといなだけですよ!ふん、ふんっ!全くもって!全くもって!!」
シフードは大分憤慨しているようだが、僕は「まだまだ肉はあるから」と彼をなだめるように肉を火に放り込んだ。


「いや〜、しかし実際のところ、これからのたびにマイケルを連れて行くのはやっぱりきついなぁ」
一通り肉を食べて満腹になった僕は焚き火に木を放り込みながらそうつぶやいた。
その僕のつぶやきに、「ああ、俺もそう思うぜ」とそれまで寝転がって目をつぶっていたクリが上体を起こした。
「俺はあいつと幼馴染だし出来れば一緒に旅をしたい気持ちはある。けど、正直ここから先はキツイな。これまでは何とか戦闘中にあいつをフォローすることも出来たけど、これから先の強敵を相手に今まで通りやっていけるとは正直思えねぇ。無理して一緒に行っても良いようにはならないと思うぜ」

クリが言ったそのセリフが、おそらくこの3人共通の思いだろう。


「いずれにしてもせめてアッサラームまで行かない事には・・・」
とシフードは話し出した瞬間、森の中から「ギャーギャー」という鳥の鳴き声とともに多数のカラスが上空へ飛び出した。森の木々もザザザァと音を立ててざわめいている。

僕ら3人は瞬間的に焚き火を消し、片膝立てた状態になり森の中を見つめ、そばに置いていた剣をひきつけて柄を握った。

場の空気をピンと張っている。


数秒後、


森の中から"ザザザ"という音と共に何かが飛び出した!!



つづく。

ロマリア出発

まだ朝陽も顔を出さない早朝。
ロマリア城下町は若干のもやに包まれている。
世界でも有数の大国ロマリア。その首都であるここ王都ロマリアもさすがにこの時間はまだ静寂に包まれている。
「さて、行くか。準備はいいか?」
僕は荷物を背中に背負い振り返った。
「いいぜ」
「行きましょう」
「あ、あぅ」
それぞれの口から落ち着いた言葉と共に白い息が流れ出る。

アリアハンを出発して一ヶ月以上が経過したが、ようやく、改めてのロマリア出発となった。
旅の目的以外のところで様々なトラブルがあり思いのほか旅は進んでいない。まだはじまったばかりだが、得てして旅とはいうのはそういうものなのかもしれない。

カッポカッポ。サックサック。馬の蹄の音が響く。
ロマリア地方では、もう秋という季節も終わりに差し掛かり木々の葉はほとんど落ちている。アリアハンは1年を通じて気温の上下がほとんどないがロマリアはこれからどんどん寒くなるらしい。今日も吐く息は白い。
ロマリア城下町を出発して1時間。昇る朝日に照らされて東の山の端がオレンジ色になっている。ロマリアからの街道沿いも家々がまばらになってきている。
ここから馬でこの街道を2日ほど北上し、そのまま海岸線沿いを東に進む予定だ。まずはかつての東西交易拠点であるアッサラームを目指す。その後、砂漠のオアシス都市イシスに向かう予定だ。
ロマリアからアッサラームまでの道のりは非常に長い。距離は長いが、かつて東西の物資や文化が行き交いした街道シルクロードがあるので、移動自体に困難が伴う事はあまり無い。
しかし、アッサラームまでの道のりで気がかりなのは、西に進むにつれて敵が強くなっていく事だ。
シャンパーニの塔以来戦いを制限されて身も心も血に飢えているシーフドや、並の僧侶ではないクリは問題ない。しかし、問題はマイケルだ。
マイケルはここの所真面目に戦闘に参加しているが、いかんせん力量不足が否めないのが現実だ。このまま彼を連れて旅を続けていく事が正しいのか、僕は正直、惑っている。
今はまだマイケルを助けながら戦う余裕があるからいいが、この先は、誰しもが自分の戦いに手一杯になるだろう。もしもの事があっては手遅れなのだが・・・。

馬上であれこれ考えても結論は出ない。やってみるしかない。
諸事情により数少なくってしまったオリジナルメンバーなんだ。このまま行けるところまで行くしかないんだ。


この先のことを考えながら街道を進んでいくうちに、太陽はいつの間にか僕の頭上まで昇っていた。


久々・・・再びロマリア

「これはまさに金のかんむり!まさに余のものじゃ!」

ここはロマリア王の間。

シャンパーニの塔にあった宝飾品の中にこの金のかんむりがあったのでここロマリアまで戻ってきたのだ。昔、僕がまだ10歳かそこらの頃、アリアハンにやってきたロマリア王の頭上にはこの王冠が輝いていた。とても印象的で忘れる事が出来なかったこの王冠がシャンパーニの塔にあったのだ。

「この王冠はのう、まさにおぬしら勇者一行がこのロマリアを発つ前日に行方不明になっておったのじゃ。・・・まさか、シャンパーニの塔にあるとはのう・・・」

僕らがなぜシャンパーニの塔に行き、そこで何があったのか、詳細は話していない。そこに住み着いた名も無い盗賊達を成敗した事は伝えたが、その正体についてまで話すことはしていない。

「やはり、その王冠はロマリア王の頭上にあってこその物。わたしもその王冠をロマリア王の元に返す事ができて嬉しく思っています」
僕は王に深々と頭を下げた。そのまま王とはいくつかの言葉を交わし、今晩晩餐の用意があると嬉しいお言葉を頂いたが、予想以上に旅が遅れてしまっている事を理由に僕らは丁重に晩餐を断った。
カザーブで聞いた眠れる街ノアニールについて王に報告をしたが、ロマリアはカザーブ以北の諸小国とは国交を断絶しているとの事で、今後の調査も救助も検討しないとの事だった。


そして、その晩、ロマリアの宿屋にて。

「ふぅ。なんかここの所色々あったけど、これで一区切りだな。明日からようやく本来の旅が再開できるな」
僕は手元にあったロマリア特産のチーズをかじりながらそう言った。
「お、おれ、お、カン、ダ、カンダタ、会い、たかった・・・」
マイケルは両手でわしづかみにしたパスタを口に運びながら話す。
確かに、後にも先にも彼以上の人物はいないと謳われた天才勇者候補カンダタとは僕も会ってみたかった。もちろん、彼が盗賊になっていることを望んでいたわけではないけど、成長したカンダタに会ってみたいという思いが俺にはあった。おそらく幼馴染のクリやマイケルのその思いは俺よりも強かっただろう。
「結局あのクソむしゃのせいで旅が遅れちまったぜ・・・次どこかで会ったらマジぶっ殺してやる!」
「まったくもってそうですね。人々に迷惑を掛け、かのカンダタの名を語り、それでいて反省の様子も全く見えませんでしたからね、今度彼を見つけたら息の根を止めてしまうのがこの世のためと私も思いますよ。っと、チェックメイトです」
クリとシフードは酒を飲み、チェスをしながらむしゃに対しての収まらぬ怒りをあらわにしている。

「いずれにしても明日は朝早く出発しような。それともう、むしゃの事は忘れよう・・・」
そう宿屋で話す僕らの事を、宿屋の外から誰からが見ていたのに僕らは気づいていなかった。

カンダタ編ラスト!

僕らはカンダタに会わないために、カンダタに会いに来た。

数日前、僕らは旅宿で盗賊カンダタの名を聞いた。
僕らは、盗賊カンダタが僕らの知るカンダタでないことを願った。
仮に盗賊カンダタが僕らの知るカンダタであるのなら、
僕らは会わないわけにはいかなかった。

カンダタではないカンダタに会うために、そして盗賊カンダタが僕らの知るカンダタではないことを確認するために、そのために僕らはここに来た。


結果、

盗賊カンダタは僕らの知るカリスマカンダタではなかった。
この結果は、僕らの望んだ結果、そのままだ。

これでよかった。

よかった・・・はずなのに。

はずなのに、
はずなのに・・・。


「さて、むしゃ君。どういうことか話を聞かせてもらおうか。悪いが、今はジョークが通じるほど僕らの心は大きくないので一言一句に気をつけて話してくれたまえ」
「いや、あ、はい。調子こいてスンマセンでした。勝手にカンダタ名乗りました。もうしません。許してください」
俺達によるむしゃの尋問中の最中です。むしゃは無論、縄でぐるぐる巻きで正座をさせられています。
「そもそもだねぇ、むしゃ君。君はロマリアに収監されていたはずだよねぇ?なぜここにいるんだい?そしてなぜ盗賊稼業なんかやっているんだい?」
「いや、え、はい。ロマリアでの囚人生活に嫌気がさしまして・・・バーコドさん達が出発する前夜に脱獄しました。あとは、街道沿いの村や町を毎夜の如く襲撃しながら、ここまで来ました」
「むしゃ君、君はバラモス討伐隊の一員としてアリアハンを出てきたわけだよ。いや、そういう事以前の話だな。。。君は一人の人間として明らかに間違った行為をしてしまっている事に気づいているのかい?」
「はい。こうなってしまった今話しても手遅れですが、僕はとんでもない過ちを犯していることに気がつきました」
「君があの英雄カンダタを語っていた事については言及しない。しかし、君は君の行為を振り返り罪を自覚し、罰を受け、罪を償わなければいけない」
「はい。本当にすいませんでした。謝っても許される事ではありませんが、本当に申し訳ない気持ちで一杯です・・・」
むしゃが涙を流している。むしゃがここまで深い空気を発して、涙を流しているのは初めて見る。
「そうか。わかった。では、俺たちはむしゃのこれまでの行為に対しても言及はしないことにする。今はもう縄をほどくが、まずはここにあるもの全てを全ての元の人の手に返していく事。そしてその足でロマリアへ行き、ロマリア王へ全ての事実を告げる事。そして、その身をロマリア王の判断に預ける事。いいかい?」
「はい、わかりました。・・・本当に申し訳ございませんでした。その通りにします。どんな罰を受けても、どんな罪の償い方をしても、僕のした行為が許されるわけではないと承知しておりますが、少しでも多く罪を償える事に残りの命を捧げていきます。・・・本当にすいませんでした」
むしゃは大変申し訳なさそうに涙を流しながら何回も頭を下げた。

僕はクリ、マイケル、シフードをそれぞれ見やった。みんな一様に頷いている。
一緒に旅をしていた仲間がこんな事になってしまって自分たちにも責任が無いわけではない。僕らもむしゃとロマリアまで同行し、むしゃとともに罪を償っていかなければならない。それを誰もが覚悟して受け入れている様子だ。
僕はむしゃの上半身と手首足首を縛っていた縄をそれぞれほどいた。
「むしゃ、もうこんな事は本当にするなよな」
僕はむしゃの背中を"パン"と叩きながら寂しさ混じりの声でそう言った。


「はい・・・本当に申し訳ありませんでした・・・もうこんな事は・・・・・、なーんて言うと持ったのか〜!!???うひょひょひょひょ〜〜〜!!」
それまでごめんなさい度100%の顔をしていたむしゃが、
縄をほどいた瞬間に、
顔を猿顔にして逃げるように全力ダッシュし始めたのだ。

「・・・こ、こ、こ、このやろう!!」
俺は瞬間的に怒りがマックスに達した。これ以上の怒りはもうありえないほどの怒りだった。
全く以って信じられない!なんだこの猿面ヤロウは!!縄をほどくのは軽率だったかもしれないが、それにしても信じられん!

むしゃは両手をダラ〜ンとして、逃げるように走りながらたまにこっち振り返り、人を小バカにしたような猿顔をして「ウキキッ!」と言って東側の壁にある窓に向かっいく。
「ウキキキ〜〜、甘ちゃん名奴等め!!うひょひょひょひょ、さらばだ〜!!」
というとむしゃは窓に向かってダイブし、そのまま窓を突き破って塔の外に飛び出した。

「・・お・・・お、、あ・。。」

もう、おれは言葉がうまく口から出てこなかった。とにかくもう、本当に俺は頭にきていた。あの猿顔が、異常なほど俺の心をムカつかせた。

カンダタ編、終幕!

「俺は勇者になるんだ」
「世界を救いたい・・・いや、俺が救うんだ!」
「みんなで一緒に世界を回ろうぜ」
「ごめん、今は・・・バハラタに行くけど、また帰ってくるから」
そう言ってはいつも微笑んでいた少年がいた。

彼はアリアハンで神童と謳われていた。才に長け、胆力は勝り、美が溢れ、そして誰よりも優しかった。いつも仲間に囲まれ、その中心で微笑む姿。少年は誰からも将来を嘱望されていた・・・。

彼は、現存する地球最古の少数部族「カンダ族」の末裔である。彼は、世界的に見ても珍しい、アリアハン地方にしかいない「カンダ」という響きの名を持つ少年である。

その少年の名前は、神田太郎。

通称・・・カンダタ。

誰もが羨み、誰もに愛された少年は今、
誰も知らない場所で大人になっていた。


ーーーーーーーーー


「なあ、このワインってどこ産?かなり美味くね?」
「そのワインはここシャンパーニ地方のワインです。名品ですね」
「バーコドさん、未成年の飲酒はいけませんよ」
「あ、、あぅあ・・・」
敵であるナイフ磨き男を交え、俺とシフードとマイケルはダイニングセットで軽食会を開いていた。そしてその脇で繰り広げられているクリと覆面男の戦いは佳境を迎えていた。

序盤こそ互角の戦いを繰り広げていた二人だが、戦いが進むにつれクリが劣勢になっていった。戦闘技術は互角だったが体格面で覆面男が圧倒的に有利だったからだ。技術が同レベルならば体力で勝る人間のほうが長時間の戦いには強い。誰の目にも覆面男有利と映っていた。
が、つい先ほど突如立場が逆転した。クリのマヌーサが覆面男を捕らえたのだ。マヌーサを受けた覆面男の攻撃がことごとく空を切り始めたのだ。

「もうお前に勝ち目はねぇ。白旗でもあげたらどうだ?」
離れた所からクリが投げつけるように言う。
「降参しろと!?笑わせるな。お前に降参をするくらいなら俺は自分で自分の首を切るぜ!」
覆面男はそう言いながら両手に持った剣を袈裟斬りに振り下ろす。剣は空気を切ってそのまま床に「ガイィィーン」とぶつかる。覆面男にはもう完全にクリの居場所がわからないようだ。ただ闇雲に剣を振り回している。
「クソッ!チクショウ!どこだ!」
空振りを続けても尚、男は剣を振り回す。
「どこだ!どこだ!!クソッ!俺は、俺は、お前にだけは負けられないんだ!どこだ!」
男は更に闇雲に剣を振る。その度に床に剣がぶつかり、高価な彫刻が砕け、宝飾品が砕け散る。
「チクショー!俺はお前にだけは、お前にだけは・・・」

覆面男とクリの間に過去何があったのかわからない。ただ、確実に二人は互いを見知っていて、そして何かがあったのだろう。男はまるでマヌーサとマヌーサ以外の何かをかき消して吹き飛ばすかのように叫びながら闇雲に剣を振る。

クリは覆面男から10mほど離れた所からそれを見ていた。剣を振る男を見つめるクリの表情が一瞬寂しげに見えたのは、気のせいではないと思う。
クリが小さな声で「・・・」と言った。おそらく誰に言ったものでもないだろう。むしろ誰にも聞かれたくなかったかもしれない。けど、クリの言った

「じゃあな」という言葉が僕には聞こえてしまった。

クリはゆっくりと右手を前に伸ばし、覆面男に向け手のひらを広げた。
クリの周囲の空気が歪み始める。
「・・・バギ」
クリの右手周辺から放たれた無数の真空刃が覆面男に向かって猛スピードで向かっていく。それまで闇雲に剣を振っていた覆面男だが、空気のゆがみを感じ取り、バギが近づいてくるのを察知した。男は瞬間的に体を反転させかわそうとしたが手遅れだった。
1つ目の真空の刃はバンダナを掠めて紙一重でかわしたが、その後に続く刃が男の右足と左肩に突き刺さった。肩と足から大量の血を噴出させながら男はその場に跪いた。男は肩で息をしながら
「・・・ク、クソ・・・」
とつぶやいた。そしてその右手からは、"ガランガラン"と音を立てて長剣が滑り落ちた。

終幕だ。誰もがそう感じた。

クリは足元に落ちていた装飾品の剣を拾い、そのままゆっくりと覆面男に近づいた。クリは剣の切っ先を覆面男の鼻っ面に突き付けて、見下ろすように言った。
「この世に言い残した事はあるか?これが最後だ。言いたい事があれば聞いてやる」
覆面男は肩で息をしているが、突き付けられた剣に怖気づく様子もなく、焦点の定まらない目でクリを見上げて言った。
「ふっ、この期に及んで命乞いでもしろっていうのか?クリともあろう者が、人を斬るのをためらっているのか?・・・言い残した事も未練もねぇ。さあ、早くやりやがれ」

それを聞いたクリが剣を振り上げた瞬間。

先ほどのバギを掠めたバンダナがゆるゆるとほどけ床に落ちた。

それまで隠されていた男の素顔が、この最期の時になって初めて明らかになった。


その男の素顔を見た瞬間、誰もが言葉を失った。


数秒の間をもってしてから、クリがかろうじて搾り出すように言った。
「お、お前は、やはりカンダタ・・・・。


じゃなくて、むしゃ、じゃねーか!!」

今の今までカンダタを名乗っていた覆面男の正体は、なんとロマリアで逮捕されたむしゃだったのだ!
誰もがその正体を神田太郎だと思い込み、戦っていたのいうのに!!

むしゃは平然と、若干陽気に
「そうさ、俺は、M・U・S・H・A、むしゃ様さ」
と右手の親指を上げてウインクをした。

その瞬間、今までの道のりや長い時間をかけたこの全てが無駄になったようで、目の前が真っ白になった。
そして、その場にいた誰もが、むしゃの発言と仕草にイラッとした。

クリvs覆面男

「ふっ、まさか、ここでお目見えするとはなぁ。カンダタさんよぉ」
ここはシャンパーニの塔最上階。
「・・・・ふんっ。貴様には借りがあったな」
今まさに二人の男がそれぞれの何かを背負って向き合っている。
クリと覆面男。いずれも言葉に出来ないオーラを纏っている。

正直、勇者である俺ですら彼らの戦いに手を出す事は難しい。
はじめの部屋でナイフを磨いていた男も戦いの音を聞いてこの部屋に飛び込んできたが、今では二人の成り行きを見守っている。
クリは一見、冷静だ。しかし、怒りとも悲しみとも取れる冷たく熱い空気を発している。一方、覆面の男はその素顔を窺うことは出来ないが、全身から発しているオーラはまるで目に見えるかのようだ。

クリがナイフを手に左にジリッと動く。
「なあ、カンダタさんよ。久しぶりじゃねぇか。その声、忘れもしねぇぜ」
覆面男も同じく左に動く。
「・・・・・ふっ。こんなに早く借りを返す事が出来るとはな・・っ!」
と、その瞬間、覆面男が左足で強く床を蹴った。巨体を感じさせない鋭敏な動きで一瞬のうちにクリとの距離を詰める。自分の間合いにクリを入れると、「ハッ」という掛け声とともに大上段から一閃、クリの頭頂部めがけて長剣を振り下ろす。
クリは瞬時の判断で、横でも後ろでもなく、前に向かって地面を蹴った。右手で逆手に持ったナイフを、振りかかる長剣の根元近くに振り上げる。「ギイィィーン」と金属同士がぶつかる音が部屋中に響く。
この間合いは間違いなくクリの間合いだ。完全に接近すれば明らかに長剣よりナイフに分がある。
クリは逆手に持っていたナイフを瞬間的に離し、空中で順手に持ち替えてそのまま覆面男の右脇腹を薙ぐ。覆面男は瞬間的に右足を半歩引いてそれを寸でのところ避わすと、左足で前蹴りをした。覆面男の前蹴りはクリの右わき腹にクリーンヒットしたが、2人の間合いが狭かったため蹴りと言うよりは左足で押し出したという格好になった。クリはたたらを踏んで2mとほど下がったがダメージはなさそうだ。覆面男はヨロけるクリに追撃を繰り出すと思いきや、飛びのくように2mほど後ろに下がった。

「ふう。貴様僧侶のくせに武術に心得があるのか?なかなかやるじゃねぇか」
そう言う覆面男の左足大腿部の服が裂け、うっすら血が滲んでいる。どうやら左足の前蹴りに対してクリが瞬時に斬りを入れたようだ。
「生憎様、誰かさんが勇者にもならずぶらついているもんでねぇ。自分の身は自分で守る必要があるんですわ」
二人はにやりと笑うようにやり取りすると、一瞬、口からふっと息を吐いて呼吸を整えた。


「うへへぇ〜、ぶらつくって俺のことか?ねえぇ、俺のこと?」
と俺はシャシャリ出ていこうとしたが、シフードに後ろから肩を掴まれた。ラリホー明けのシフードは渋い顔で首を左右に振りながら無言で
「今はそういうボケはいりませんよ。僕らは今回完全アウェーですから、辛くなるだけですよ」
と言った。無言だか渋い顔がそう語っていた。
マイケルがそこはかとなく無言で用意したダイニングテーブルセットの椅子に僕ら腰を下ろし、彼らの戦いを見守る事にした。


一話一話が長いのに進まないカンダタ編

20m四方の部屋。僕らは南東の隅。
僕らのすぐそば3mほどのところに大男が一人。
部屋の北西隅にいかにも小物っぽい男が一人。
そして部屋の真北の壁から3mあたりのところに覆面の大男が一人。
おそらく覆面の男がカンダタだろう。

「カンダタ、まずは話がしたい」
僕らとカンダタとの距離は10m以上はある。クリは少し大きめな声で話しかけている。男はクリの呼びかけにしばし沈黙した後、
「話だと?仕事の依頼なら金額次第だ。仕事の話でなければ帰れ」
とドスの利いた大きな声で言った。
この声を聞いた瞬間、その場にいた僕ら4人はピクリと反応した。
その男のドスの利いた大きな声に聞き覚えがあったからだ。

「ちっ・・・クソが・・・」
そう言うとクリは足元に転がっていた高価そうな杖を握り、そばにいる大男に振り下ろした。


"ゴガッ!!"


その音が開戦の合図だった。クリの振り下ろした杖は見事、男の頭頂部に命中し、男は頭から鈍い音を出したままその場に倒れこんで動かなくなった。
「て、てめぇ!!」
覆面の男がそれを見てすぐさま立ち上がる。脇に置いてあった長刀を手にし、自分の前にあった高価そうなテーブルを蹴飛ばした。テーブルは勢い良く倒れ、転がりながら近くにあった宝飾品に大きな音を立ててぶつかった。

その音とその男の力に俺とマイケルは若干たじろいだ。しかし戦いなれているクリとシフードはものともしなかった。
「大した怪力ではないですか!さっそく本性を現しましたね!あなたの悪事、このわたくしが許すわけにはいきません!その命をもって詫びなさい!」
シフードはそう言いながら、右の拳に鉄のつめを装着して覆面男に飛びかかろうとした。
が、それをクリが左手で制し、クリはそのまま魔法を唱えた!
「バギ!」
その瞬間クリの周りの空気が歪んで、真空の刃が放たれた。
今までの相手ならば、大抵この魔法で致命傷を与えられていた。しかし、覆面男はものすごいスピードで向かってくる真空の刃を、長剣の平の部分でなぎ払った。長剣によって方向を変えられた真空の刃はそのまま絵画や彫刻に突き刺さった。覆面男は構えた長剣越しに「その程度かい?」と言いたげな笑みを浮かべた。

「クリさん、奴に魔法は効きませ…」
そう言って飛び出すシフードを、クリは左手で制し「ふっ、やるな」と言って次なる呪文を唱えた。
「ラリホー!」
その瞬間、クリの右の手のひらから紫色の煙が発せられた。
「こ、これは、いにしえの睡眠呪文・ラリホー!ま、まさか、あ、あッ…」
紫の煙を見て驚くように叫んだシフードを、クリはさらに左手で後ろに押し戻すと、見えない何かを操るように右手を空中で動かし始めた。
すると、その紫の煙はクリの右手の動きに合わせるように直径1mくらいの球体となり、部屋の中を自由自在に飛び回り始めた。

「ラリホー。これなら傷つけることなくカンダタを捕らえられる」と僕は直感的に感じた。カンダタほどの男を殺さずに捕らえることは難しい。相手を傷つけることなく捕まえるのは仕留める以上に難しい。クリもそれを重々承知しているし、おそらく覆面男を傷つけたくはないのだろう。

クリがひとたび右手を上げれば煙の球体は天井付近まで勢い良く昇り、右手で円を描けばその球体も部屋の中で勢い良く円を描いて飛んだ。クリの操作する紫煙の球体はどんどんとスピードをあげ、部屋中を飛び回る。

そして、「今だ!」とクリが叫んで右手を振りかぶるようにしてから振り下ろした瞬間、

球体は猛スピードで部屋の天井付近まで昇り、そのままの急カーブして急落下。紫の球体は標的の男の頭から上半身までを、すっぽりと覆った。

胸から上に紫の煙を纏って「く、くそ・・・こんなはずじゃ・・・Zzz」と、その場に、

シフードは倒れ伏した。


「ククク・・・729、インド式算術。これで邪魔者ウザフードはいなくなったな」
クリは低い声でそう言い、指をバキバキ鳴らしながら覆面男にゆっくりと近づいたのであった。


つづく。

シャンパーニの塔最上階

僕は、カンダタが根城にしているというシャンパーニの塔最上階のドアを押した。

鉄製の重厚な両開きのドアは重い音を上げながらゆっくりと開いた。

「ああ?何モンだお前ら?」
ドアを開けると5mほど先でナイフを磨いている男が一人いた。僕は視界の隅に男を捉えながら部屋の様子を窺った。部屋は10m四方くらいの小さな部屋で、過剰なインテリアはもちろん生活に必要な家具らしき家具なども一切見当たらない殺風景な部屋だ。入口から見て正面の壁、一番右に扉が一枚ある。塔のフロアの広さからしてもその奥にはまだ部屋があると考えていいだろう。
僕はすぐにでも剣の柄に手を伸ばせるように神経を集中しながらいつもより低い声で尋いた。
「お前がカンダタか?」
男は僕ら4人を牽制するように見ると、先程より落ち着いた声で言った。
「お前らは何モンだ?カンダタさんに用があるならまずは俺が話を聞く」
どうやらこの男はカンダタではないらしい。ホッとした半面、この男がカンダタであってほしかったという思いを抱いたのは僕だけじゃないはずだ。
「別に私はあなたがカンダタであろうとなかろうと関係ありません。ただ、私はあなたを殺し・・・」
と言いながら一歩前へ出ようとしたシフードを、クリは左手で制しながら怒りと落ち着きともとれる声を発した。
「カンダタに会いに来た。別にお前らをどうこうするつもりはない。カンダタはいないか?」

男は僕ら4人を改めて品定めするように数秒見た後に「・・・ふん」と鼻で言った。そしてそのまま壁の向こう側に振り返り、「アニキー!!来客ですぜー!そちらへ通しやすー!」と叫んだ。男は再び僕らの方を向くとアゴで「その扉を開けな」と無言のジェスチャーをした。僕らはその男に警戒をしつつ男の脇を抜け、扉の前まで来た。
僕はドアの右側に立ち、剣の柄に手をあてて、アゴでクイっとマイケルに「開けろ」のジェスチャーをした。
マイケルは「あ、あぅ」と頷くと、

アゴでドアを開けようとした。

「マイケル、違うから。アゴ違いだから。ドアは手で開けような」とクリが小声で言った。
マイケルはようやく間違いに気付き、手でドアを向こう側に押し開けた。


扉の奥は先ほどよりも広い、20m四方はあろうという巨大な部屋。部屋のいたるところに様々な彫刻や宝飾品、絵画などが雑に置いてある。
部屋に入るとすぐ入口付近に大柄な男が一人、部屋の奥にルーペで宝飾品を凝視している男が一人、そしてソファーに座って腕を組んでいる大男が一人いる。ソファーに座っている男は目のすぐ上までバンダナを巻き、首元から鼻の上までを襟巻きで覆っている。それはまるで覆面のようで、晒されているのは目の付近だけだった。


「前の部屋の奴も含めて4人か・・・」
そういって殺気を漂わせながら一歩前に出ようとしたシフードを、クリが左手で制しそして覆面男に向けて大きな声を出した。
「俺はカンダタと話がしたい。お前がカンダタか?」
男はクリの声に、ピクリと右の眉を上げて言った。
「俺か?おれは・・・」

最近の勇者の悩み

最近、俺バーコドはすることがない。
する事が無いと言っても、本当に何もしていないわけではない。
今まさに旅の最中だし、多くの使命を持って行動している。
しかし、俺が勇者として本来すべき役割を俺は果たせていない。
パーティーの統率をとることしかり、率先して戦う事しかり、たまにはパーティーの雰囲気を明るくする事しかり。

それら全てを俺は行なえていないのだ。

もはやパーティーの指揮権はクリが握っているし、戦いはもっぱらシフードが片付けている。パーティーの空気を和ませようとしても、マイケルが天然アホプレイで既にみんなを笑わせている。

さらに、実は最近の俺は、彼らが3人で談笑しているのを後方から見ていることが多い。何て言うか・・・彼らの輪に入れずにいるんだ。


俺、勇者なのになぁ・・・。


今も彼らは3人で、軍隊ガニと対峙している。ここシャンパーニの塔は軍隊ガニが腐るほどいて、気が滅入っても滅入っても滅入りきらないくらい湧いてくる。
四方から軍隊ガニがやってきて囲まれる事も珍しくないのだが、囲まれるのはもっぱら彼ら3人だけだ。彼ら3人の周りにわらわらとカニがいて、俺がその外からそれを見てるという図式だ。
マイケルが敵の注意をひきつけ、クリの補助魔法を生かしてシフードが退治するというのが今の戦闘のパターンだ。
あ、今もシフードが「あちゃぁ!」と最後の一匹を片付けた。

あーあ・・・。
結局今の戦いも参加しなかったしなぁ。。。

なんか、もう、俺このパーティーにいらねぇのかなぁ?どうなのかなぁ?
いっその事、もう、抜けちまおうかなぁ。。。
でも、このパーティ辞めたら俺ってどうなんのかなぁ。順当かつリアルにシミュレートしてみると・・・まずは実家に帰るだろー?で、家で何もしないわけにはいかないから働くだろー?働くって言っても、俺16で家出てて中卒だし、ろくな仕事就けなそうだよなぁ。そもそも履歴書になんて書きゃいいんだ?面接官に「中学卒業して今まで何やってたの?」とか聞かれて、「勇者です」って答えても、「勇者〜?んんん〜、君ねぇ、夢を語るのも構わないけど、まずは面接じゃなくて精神科が先なんじゃないかなぁ」とか言われて、「いえ、でも、僕は」とかって・・・


「・・・ダー。」

「・・・ィーダー!」

「リーダー!!聞いてますか!!?」

おっと!!俺はここでふと我に返った。なにやらシフードが俺に話しかけているようだ。
「全くあなたは・・・。リーダー!何ボーっとしているんですか?いよいよカンダタの部屋を前にしたところで早くも勝った気で妄想ですか?」
シフードは両手のひらを上に向け、外人の「ワカリマセーン」みたいなポーズで俺を見ている。その横でクリがイライラして両手を組んでいる。
「おい、くそリーダー!もうそこの扉の奥がカンダタのアジトなんだとよ!ボーっとしてねぇでいくぞ!!」
クリは後ろにある扉をアゴでクイっと示して、行くぞ、とゼスチャーした。


そうだ、俺は勇者だ。リーダーだ。実家に帰って就職することを考えている場合じゃない。俺にはやらなくちゃいけない事があるんだ。・・・よし!

「ボーっとしていて悪かった・・・。よし!じゃあ、みんな行くぞ!」

僕はそう言って、赤茶色に錆びた鉄の重厚な両扉を押し開いた。


扉はズズズズーと音をあげ、ゆっくりと開いた。


つづく。

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